水上エア遊具で最も危険な事故は遊具下での溺水です。遊具下に潜り込んでしまい、出られなくなる事で溺水する事故が発生しています。特にライフジャケットを着用している場合、その浮力で体が遊具下に押し上げられ、身動きが取れなくなることがあります。一度、遊具下に潜り込んでしまうと、監視員からは死角になるので気がつかなくなり、発見が遅れると溺死します。ウォーターパークの安全管理では、利用者が遊具下に潜り込まないようにするのが最も重要なポイントになります。
落水後、水中から遊具に這い上がるには、遊具上に肘を載せて身体を引き上げる必要があります。しかし、遊具は40cmほどの高さがある為、水中から腕を伸ばしても簡単に肘を遊具上に載せる事ができません。この遊具上に肘を付けられない状態で無理に上がろうとすると、反動で下半身が遊具の下に潜り込んでしまいます。ライフジャケットを着用している場合、この時にライフジャケットの浮力が作用し、身体が遊具底面に押し付けられてしまいます。こうなると遊具下で身動きが取れず、脱出できずに溺水します。
この事故を防止する為、監視員は利用者が落水した時点で、目視確認を行い、落水の反動で遊具下に潜り込んでいないか、無理に自力で遊具側面から上に上がろうとしていないかを注意深く確認する必要があります。
また、利用者によっては好奇心から遊具下に潜ろうとする場合もあります。この場合もライフジャケットにより身体が遊具底面に押し付けられ身動きが取れなくなり、溺水します。非常に危険ですので絶対にさせないでください。
落水者の遊具下への潜り込みを防止し、安全に遊具へ上がるには、下記のいずれかのやり方を行ってください。
落水した場合はプールサイドに設置されているタラップ(ハシゴ)より上がるルールを採用してください。
プール内の落水しやすいエリアに監視員を配置し、遊具に上がるのを補助してください。あるいは遊具上から手を差し伸べて引き上げをサポートしてください
落水時の監視を怠らず、絶対に遊具下に利用者が潜り込まないように監視してください。
SAS(水上アクティビティ安全管理システム)を導入している場合、プッシュ通知で警告を受信したら、必ず警告対象の方の安全確認をしてください。このシステムは監視を代行するものではありません。導入している場合でも目視による監視を怠らないでください。